2016年1月6日

職場の新人研修で使えるちょっと不思議なイディオム

Let's get our hands dirty.
二人の女性がパソコンに向かっている、指導をしている様子。


今回は米国の学校での実践的な授業や会社の新人研修でよく使われるちょっと不思議な表現やイディオムをご紹介します。
  • Jump right in,
  • get our hands dirty,
  • monkey see monkey do
  • get the hang of it

早速始めましょう


Jump right in はもともとプールに入る方法を表現。プールに設置したハシゴをゆっくり降りる人もいれば、飛び込む人もいます。職場の研修でも、いろいろ説明を受けるよりも、実際にやってみたほうが覚えられることもあります。実践しながらの指導を始めるときに Let's jump right in. といいます。「体験してみましょう」という意味でお使われます。
Welcome to my writing class. I know you are excited to learn so let's jump right in.
私のライティングクラスへようこそ。みなさんは学びたくてうずうずしていると思いますので、早速はじめましょう。

I know that this looks difficult but you have to jump right in.
君にはとても難しそうに見えるのはわかるけど、やってみるしかないよ。

No time to explain. Let's jump right in.
あまり説明する時間がないので、とにかく始めましょう。

Twitter 検索結果:"let's jump right in" learn (学びに関する表現だけを表示するために learn というキーワードを追加しました。

実際にやってみましょう、実践しましょう


Let's get our hands dirty は「手を汚しましょう」ではなく、「実際にやってみましょう」という意味のイディオム。ネットの英和辞書には出てきませんが、日常会話ではよく耳にします。(ネット上の英和辞書にはこの定義は出ていません。)

作業によっては、手が汚れてしまうこともあります。「手を汚しましょう」というのは「実際にやってみましょう」と意味です。一通りのレッスンの流れを説明した後に、実践をはじめるときによく使われます。
Now that you know a little about knitting, let's get our hands dirty.
編み物について少しご理解頂いたようですので、実際に編んで見ましょう。

Enough explanations. Let's get our hands dirty.
説明はこれまで!早速はじめよう。

Now that you have learned the basics of HTML5, let's get our hands dirty.
HTML5の基礎をご理解いただいところで、実際にコーディングしてみましょう。
Twitter 検索結果: let's get our hands dirty

見よう見まね


Monkey see monkey do は直訳すると「猿は見て、真似をする」、イディオムとしては「見様見真似」と同じ意味です。研修現場では「模倣して覚える」という意味で、名詞として使われます。決して侮辱している表現ではありません。
Today's training is mostly monkey see monkey do.
今日の研修のほとんどは私の真似をして覚えていただきます。

At first, it is monkey see monkey do, but you'll understand after a while.
最初は見よう見まねですが、次第に理解できるようになります。

I cannot learn by monkey see monkey do.
私は見よう見まねで学ぶことが苦手です。
Twitter 検索結果:monkey see monkey do

コツを掴む


Get the hang of it は「コツを掴む」という意味。日本の「習うより慣れよ」の考えに近いと思います。何度も作業の動作を繰り返している内に出来るようになる、という意味です。

もともと hang は、斧の刃が柄に収まってる具合を表現する言葉でした。人によってちょうどいい収まり方が違うので、長い間斧を使っている間に調整していけば、自分にちょうどいい hang になっていくのです。

斧のイラスト。Hang の位置を解説

The procedure may look complicated but you'll get the hang of it in time.
手順は複雑に見えるかもしれないけど、次第に出来るようになるよ。

I cannot get the hang of the clutch.
車のクラッチがうまく使えない。

I finally got the hang of this computer program.
やっとこのコンピュータのソフトに慣れた。
Twitter 検索結果:get the hang of

手ほどきを受ける,手ほどきをする


Learn the ropes (手ほどきを受ける)の他に、show the ropes(手ほどきをする)、know the ropes (熟知している、経験を積んでいる)という表現が研修でよく使われます。

Rope (ロープ)というのは帆船で使われる縄のことです。風の向きや強さによって帆をゆるめたり、下ろしたり、上げたりするには素早くロープを、緩める技術が重要になります。新米の水夫はまずロープの扱いから学ぶことから、仕事の指導をするときに使われるようになりました。
My name is Andrea. I will show you the ropes during your orientation.
私はアンドリアです。オリエンテーションの間、あなたの指導しします。

I learned the ropes of the coffee business at my dad's cafe.
コーヒービジネスの基本は父のカフェで学びました。

Jason knows the ropes of computer technology.
ジェイソンはコンピュータ技術の精通している。
Twitter 検索結果: show the ropes

自分の役割がわかりました


Have my work cut out for me を直訳すれば、「自分の仕事はもうすでに切り取られている」です。もともとは洋裁の表現で、大きな布が裁断されていて、そのた布を製品として仕上げる責任がある人のセリフでしょう。和英辞書に出てくる定義とは違い、どちらかというとポジティブな表現です。

一般的には、研修の終わりに「自分のやるべきことがはっきりしている」や、「私の役割がわかりました」という意味の決意表明や感想として使われます。
When I opened up the copier, I saw what was wrong. I had my job cut out for me,
コピー機を開いてみて、何が問題箇所かわかり、何をすればいいかわかった。

The baby is very cranky. You have your job cut out for you.
赤ちゃんがイライラしてるね。君は何すればいいかわかるよね。

大きな役割に就く人の言葉として使われることが多いですが、新人社員がこのように使うと好印象を与えるかもしれません。

I have finished my two-week training at the lab. I have my work cut out for me.
研究室での二週間の研修を終えました。私のこの部所での役割がわかりました。

ちょっと生意気に聞こえると心配かもかもしれませんが、意外に「意欲がある」と評価してもらえます。

Twitter 検索結果: have the work cut out for me

いかがでしたでしょうか?職場で新人を指導する方、先生やインストラクターの方、新入社員など、いろいろな方に使っていただきたい表現をまとめてみました。

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