2015年5月8日

「アルバイト」「パート」を英語で表現する

飲食店でウェイターとして仕事をしている男性
He works part-time at the bistro.

今回は「アルバイト」と「パート」という言葉について考えてみました。実は、米国にはアルバイトに当たる言葉がなく、パートも日本での使い方とはちょっと違っています。この記事で別な表現を提案します。


英語には「アルバイト」という言葉がない


30年以上前、インターナショナルスクールを卒業したての私は「アルバイト募集」という貼り紙に小さく「パート可」と書いてあるのを見て、混乱しました。

「フルタイム」の対義語が「アルバイト」だと思っていたので、「すると、「パート」って何?」と不思議に思いました。

しかし、大人になるにつれ、なんとなく違いがわかるようになりました。

「アルバイト」の由来


語源由来辞典によると、「アルバイト」とは「学業や本業の傍らに仕事をすること」と書いてあります。パート(タイム)は、主婦の非正規雇用なのだと理解しています。


image bv Ms. Diary
広告はイメージですが、時給はリアルです

アルバイトはドイツのarbeit が語源で、オンラインの英独辞書で調べてみると、「労働」という意味です。パートタイム労働に限定している日本での使い方からみると、和製ドイツ語と言えます。同辞書でpart-time work を調べたら Teilzeitkraft という単語が出てきました。(なんかカッコイイ!)

英語ではarbeitをパートタイムという意味では使いません。また、「アルバイト」と「パート」の意味の区別はありません。どちらも同じパートタイム労働です。

「主婦のパート」は差別的?


英語圏ではこういった、日本で言う「主婦限定」の意味でパートの募集をすると、「差別的」だと言われるかもしれません。

Full-time は常勤で、part-time が非常勤という区別ぐらいしかありません。

日本で言う「パート」と「アルバイト」をわかりやすく英語で表現する方法を考えてみました。職業としてはどちらも part-time と表現します。

「主婦のパート」を英語表現する


part-time 非常勤


  I work part-time at the supermarket.
  スーパーでパートをしています。

  I am a part-time chef.
  私はパートで調理の仕事をしています。

free-lance フリー


  I am a free-lance insurance agent.
  フリーで保険の外交員をしています。

「パート」ということばを使わずに、非常勤で働いていることを表現する方法もあります。「午前中」、「週~回」」、「~時間」などフルタイムではないというヒントになる表現を使うといいでしょう。

  In the afternoon, I help out at my dad's office..
  午後には父の会社のお手伝いをしています。

  I work for 4 hours at the childcare center every morning.
  毎朝、育児支援施設で4時間働いています。

  She works at a translation services company three times a week.
  彼女は週3回、翻訳サービスの会社で働いています。

学生のバイト


学生であることを先に説明してある場合は、フルタイムではないことが想像つくので、特にpart-timeという表現は必要ありません。「バイト」の語源は「仕事」という意味の arbeit なので、「バイトに行く」は go to work で正解です。

  I work at MOS Burger after school.
  放課後、モスバーガーでバイトいます。

  I am a part-time production assistant at the TV station.
  テレビ局でADのアルバイトをしています。

  My daughter has a summer job at the hamburger shop.
  娘はハンバーガーショップで夏の間、アルバイトをしています。

  He works part-time at the campus coffee shop to help pay for tuition.
  学費のために彼はキャンパス内のコーヒーショップでバイトしている。


after-school job 放課後の仕事

  Jack has an after-school job at the convenience store.
  ジャックはコンビニで(放課後の)バイトをしている。(この表現は話題の最初に使って、以後は job といいます。)

本業の傍らにするパートタイムやアルバイト


Moonlight (動詞) 「月の明かりの下で(=夜)働く」という意味合いがありますが、昼間のバイトにも使えます。

余談ですが、若き日のブルース・ウィルスが出演していたドラマ「こちらフルムーン探偵社」の原題は Moonlighting でした。

  I moonlight at the steel mill.
  (本業の後)製鉄所でアルバイトをしている。

Take/have a second job. 2つ目の仕事に就く、という意味。3つ目の仕事を持つ人もいます。

  I have a second job as a security guard.
  ガードマンとして、バイトしている。

  I took a second job at the mall.
  (ショッピング)モールでアルバイトを始めた。

  He had to take a second job to pay the bills.
  彼は生活のために(本業の他に)アルバイトをしなければならなくなった。

「パート/バイトに行く」


パートでもバイトでも、「出勤する」はフルタイムの人と同じように go to work といいます。Work は「職場」という意味です。非常勤であることを表現する必要はありません。「バイト」の語源は「仕事」という意味の arbeit なので、「バイトに行く」は go to work で正解です。

  I am leaving for work now.
  パート/バイトに行くね。

  I go to work at 7:00.
  七時にパート/バイトへ行く。

  Sorry, I have to work today.
  ごめん、今日はパート/バイト(に行かなければならない)。

  I had to work today.
  今日はパート/バイトだった。

パートやバイトでも、フルタイムでも、「労働には違いない」という考えかもしれません。

  

Photo by Brendan Gogarty 


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