2017年6月25日

「メイクメモリー」に違和感を覚えていたわけ

Making memories.

最近いろいろな場所で「メイクメモリー」という表現を見聞きします。しかし、文法的な間違いがあるので、意味が伝わってきません。今回はこの表現の正しい使い方と例文をご紹介します。





「メイクメモリー」に抱いた違和感


知らない人が「喫茶店」を「きっちゃてん」を読むのを聞くと、心の中で「違う!『きっさてん』が正しい!」と心の中で叫んでしまいませんか?「渋滞」を「しぶたい」と読み違え読み違える人がいると「あれは『しぶたい』と書いて、『じゅうたい』と読むのよ」と注意したくなると思います。

間違ったものをそのままにできない人は人の常だと思います。

今回私がそんな気持ちになったのが「メイクメモリー」という表現です。

多分、「思い出を作る」という意味だと思うのですが、見聞きする度に小さくに反応してしまいます。


文法的に間違っているのです


念のため make memory をネットで調べてみると、二通りの表現をみつけました。

      make a memory

      make memories

私が抱いた違和感は名詞の冠詞が抜けているということでした。

Memory のような 可算名詞(数えられる名詞)は単数形の場合には冠詞などの数量詞が必要になりますが、それが抜けているのが不自然だったのです。

複数形の場合は数量詞は不要です。

カタカナで書くときには

      「メイク・ア・メモリー」(単数形)

      「メイク・メモリーズ」(複数形)

をお勧めします。

特に、学生のチームや活動のスローガンに使う場合は正しい文法の表現を使う方が、英語学習のヒントになります。

単数の Make a memory


Make a memory は普通に「思い出を作る」という意味の表現です。


冒頭のボンジョビのミュージックビデオのタイトルは (You Want to) Make a Memory 「(君は)思い出を作りたいんだね」です。
I worked at a green tea farm to make a memory.
思い出づくりのために茶畑で働きました。

Trekking in Slovenia made me and my girlfriend a wonderful memory.
スロベニアでのトレッキングは僕と彼女にとってすてきな思い出を作ってくれた。


複数形の Make memories


複数形の make memories は二通りの意味があります。

1. たくさんの思い出を作る

2. たくさんの記憶を形成する

Memory には「思い出」の他の「記憶」という意味があります。
We've made lots of memories at Talahassee.
私達はタラハシーでたくさんの思い出をつくりました。

The purpose of summer camp is to make memories and friends.
サマーキャンプの目的は思い出と友達を作ることです。


Make memories という表現の例文を探すために Google で検索したら、次のナゾナゾをみつけました。
 I make memories that last a lifetime,
Without me you’ll be miserable,
If you miss me you can gorge and it’s okay.
Some say I am naturally split in two.
What am I?
私は一生残る記憶を作り出します。
私がいなければ、とても惨めでしょう。
私をのがした時はまとめて取るといいでしょう。
私は二回に分ける方が自然だという説もあります。
私はなんでしょう?
答えは Sleep (睡眠)です。寝ている間に記憶が形成され、睡眠が不足すると気分は優れませんが、寝だめをすることは可能です。産業革命以前は一度寝て、途中で目覚めて、また寝るというのが普通だったようです。(ソース:Riddles Brainteasers)

「メイクメモリー」の一つ一つの単語は合っているのですが、文法的に間違っているので違和感がありました。スローガン、お店の名前、バンド名などに使う場合は正しい英語表現を使っていただきたいです。


Photo by Jess Foami

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